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欧州経済ウオッチャー

欧州議会が改正著作権指令案を可決、IT大手がコンテンツ使用料支払いへ

欧州議会は12日、現行のEU著作権指令を改正する「デジタル単一市場(DSM)における著作権指令(案)」を賛成多数で可決した。インターネット上の著作権保護を強化するのが法改正の目的で、著作権所有者が米グーグルや米フェイスブックなどの大手IT企業に対し、コンテンツ利用の対価を要求できるようにすることなどが柱。欧州議会と閣僚理事会に欧州委員会を加えた3機関での協議を経て、年内の最終合意を目指す。

欧州委が2016年7月に提案したDSM著作権指令案で最大の焦点となっていたのは、報道機関が配信したニュースが検索サイトなどに掲載された場合、発行元がネット企業に使用料を請求できる仕組みの導入。「リンク税」と呼ばれるもので、ニュース記事の全文を掲載する場合だけでなく、記事の見出しやスニペット(短い抜粋)をまとめて表示するサービスも課金の対象となる。

リンク税は新聞、雑誌、ネットメディアなどの報道出版物を対象としたもので、学術専門誌は含まれない。米グーグルが提供するグーグル・ニュースなどを標的としていることから、「グーグル税」とも呼ばれる。著作物の利用をめぐり、報道機関や媒体社が正当な対価を得られる仕組みを整えるのが狙いだが、反対派からはフェイクニュースの表示が増える可能性などが指摘されている。

改正案のもう1つの柱は、グーグル傘下の「ユーチューブ」をはじめとする共有サイトなどのインターネットプラットフォームに対し、ユーザーが投稿するコンテンツが著作権を侵害していないかどうかを事前にチェックし、適切に対応することを義務付けるという内容。違法コンテンツが投稿された場合、現行ルールでは権利者が著作権侵害の申し立てを行い、これを受けてプラットフォーム側が当該コンテンツを削除しているが、新ルールが導入されると、プラットフォーム運営者は著作権侵害について不法行為責任を問われる可能性がある。

こうした規制に対し、反対派からは「インターネットの自由が脅かされる」といった批判が寄せられており、欧州議会は7月の本会議でDSM著作権指令案を一度否決した経緯がある。このため規制の対象を「オンライン上のコンテンツ共有サービス事業者」と明記し、中小企業が運営するサービスなどを対象から除外する修正を加えてようやく可決にこぎつけた。

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