独製薬大手のベーリンガー・インゲルハイムは13日、ウイルスを用いたがん治療法の開発会社であるオーストリアのヴィラ・セラピューティクスを買収したと発表した。ウイルスベースのがん免疫治療の開発力を強化する。買収金額は2億1,000万ユーロ。
ヴィラは腫瘍溶解性ウイルスを用いたがん治療法の開発を手がける新興企業。インスブルック医科大学からのスピンアウトとして2013年に設立された。ベーリンガーは同社との提携事業が好調なことから、16年のオプション契約に基づいて買収した。
腫瘍溶解性ウイルスはがん細胞に感染して細胞死させるウイルスの総称で、2つの機序で作用する。まずは感染先の細胞で増殖しこれを死滅。次に感染によって人体の免疫反応を引き起こし、感染・非感染を問わず免疫システムががん細胞を攻撃するようになる。