JLRに対するスロバキアの公的支援、欧州委が承認

欧州委員会は4日、英高級車メーカーのジャガー・ランドローバー(JLR)がスロバキアに工場を建設する事業に対する同国政府の支援を承認したと発表した。EUの公的支援に関するルールに違反する恐れがあるとして調査を行ってきたが、最終的に問題はないと判断した。

調査対象となっていたのは、インド自動車大手タタ・モーターズ傘下のJLRが14億ユーロを投じてスロバキア西部ニトラに年産能力15万台の乗用車工場を建設するプロジェクトへの公的支援。スロバキア政府は同社が2015年に新工場をメキシコまたはスロバキアに建設する計画を発表した際、誘致のため1億2,500万ユーロの助成を決めた。

EUはこのような支援に関して、複数の加盟国が工場などの誘致をめぐり、助成で競い合うのを避けるため、助成額を必要最小限に抑えることや、他の加盟国の同レベルの発展状況にある地域への投資を奪うものであってはならないといった制限を設けている。

欧州委は同支援に関して、政府が工場用地確保に関する優遇策も提供することが実質的な助成となり、これを含めると助成額がEUのルールで認められる限度を超える可能性があるほか、JLRが他のEU加盟国も工場建設地の候補としていた疑いがあるなどとして、17年5月に本格的な調査を開始していた。

しかし、最終的に同支援はEUのルールを順守しており、地域経済の振興にも寄与すると判断し、正式承認した。

上部へスクロール