ユニリーバが蘭への本社一本化を撤回、主要株主の反発受け

英・オランダ系の食品・日用品大手ユニリーバは5日、本社機能をオランダに集約する計画を撤回すると発表した。英国とオランダに置く本社を一本化することで迅速な意思決定を可能にし、経営を効率化する狙いだったが、今月末の株主総会を控えて複数の主要株主が反対の意向を表明していた。

ユニリーバは3月、ロンドンとロッテルダムに本社を置く二重構造を解消し、年内にもロッテルダムに本社機能を統合すると発表した。その際、事業を3部門に分割し、シャンプーや石けんなどのパーソナルケアと洗剤などのホームケア部門はロンドンに本部を置くことで、英国の従業員7,300人の雇用と生産拠点を維持し、英国、オランダ、米国における株式の上場も継続すると説明していた。

しかし、本社をオランダ側に移すと英国の主要株価指数「FTSE100」の構成銘柄から除外されるとの見方が強まり、機関投資家が強く反発。英側の株主総会で承認に必要な75%以上の支持が得られない見通しとなり、計画の撤回を余儀なくされた。

ユニリーバは声明で「主要な株主から支持が得られないと分かり、計画を取り下げるのが適切だと判断した」と説明。そのうえで、「二重構造の解消が長期的な株主利益につながる」と強調し、引き続き今後の対応を検討する方針を示した。

上部へスクロール