高級車大手のBMWは11日、中国の華晨中国汽車との合弁会社に対する出資比率を50%から75%に引き上げると発表した。中国政府が自動車市場での外国メーカーの出資規制緩和を打ち出したことを受けたもの。合弁設立15周年記念に合わせて合意した。同時に、合弁契約を22年延長し、2040年まで続けることも発表した。
BMW、華晨と瀋陽市は2003年、合弁会社BMWブリリアンス・オートモーティブ(BBA)を陽に設立した。出資比率はこれまでBMWが50%、ブリリアンスが40.5%、瀋陽市が9.5%だった。中国国務院(中国政府)は7月時点で、BMWが出資比率を最低でも75%まで引き上げる方向で交渉していることを明らかにしていた。
BMWは今回、BBAが今後、瀋陽市内に分散する拠点に総額30億ユーロ超の投資を行うことも明らかにした。最大の目玉は鉄西区の既存工場敷地内に新たな組み立て工場を建設するというもので、鉄西工場の生産能力を倍増。BBAの組み立て工場は計3カ所となり、同合弁の生産能力は現在の40万台から65万台に拡大する。
BMWは既存2工場の生産能力を来年に52万台まで拡大することを7月に明らかにしたばかり。第3組み立て工場の新設により、さらに13万台引き上げることになる。
同社は電気自動車(EV)「BMW iX3」を20年から瀋陽市大東区にある工場で生産することも明らかにした。同モデルはすべて中国で生産。同国のほか国外にも出荷する。