スウェーデンの自動車大手ボルボ・カーは1日、中国インターネット大手の百度と提携し、自動運転の電気自動車(EV)を共同開発すると発表した。世界最大の自動車市場の中国で「レベル4」の完全自動運転車(ロボタクシー)を製造し、オンデマンド配車サービスなどを展開する事業者や個人向けに販売する。
百度は独ダイムラーやホンダ、米フォード・モーターのほか、米インテルやマイクロソフトなど大手IT企業と提携関係を結び、「アポロ計画」と呼ばれる自動運転技術の開発プロジェクトを進めている。百度はこのオープンソース型プラットフォームをボルボに開放し、ボルボは自社のノウハウや技術を提供。共同で自動運転EVを開発し、量産することを目指す。
ボルボはスウェーデンの自動車安全システム大手オートリブから分社化した電子部品大手ヴィオニアとの合弁会社ゼニュイティーのソフトウエアを利用して、2021年までに自動運転車を市場投入する目標を掲げている。米配車サービス大手ウーバーテクノロジーズとも提携関係にあり、19~21年にボルボのスポーツタイプ多目的車(SUV)「XC90」を最大2万4千台供給する契約を結んだ。同モデルにウーバーが自社で開発したセンサーやソフトウエアを搭載し、自動運転車とする計画だ。
ボルボは25年までに売上高に占める自動運転車の比率を3分の1にすることを目指している。ホーカン・サムエルソン最高経営責任者(CEO)は「目標を達成するうえで配車サービス事業者へのロボタクシーの販売がカギを握る」と述べた。