特殊化学大手の独エボニックは8日、過酸化水素(H2O2)と過酢酸(PAA)の有力企業である米ペロクシケムを投資会社ワン・エクイティ・パートナーズから買収すると発表した。収益力の高い特殊製品分野を強化する方針に沿ったもの。買収額は6億2,500万ドルに上る。2019年半ばの買収手続き完了を見込んでいる。
ペロクシケムはフィラデルフィアに本社を置く企業で、北米、ドイツ、スペイン、タイに計8工場を持つ。従業員数は約600人。今年の売上高は約3億ドルを見込んでいる。
ペロクシケムは環境に優しい浄水、半導体洗浄、無殺菌の食品包装など収益力の高い特殊分野に強い。エボニックの当該事業は製紙・繊維産業向けなど汎用品が中心で、収益力が低いことから、同社はペロクシケムを買収することで特殊分野のポートフォリオを拡充。収益力を強化する意向だ。2022年までに相乗効果が2,000万ドルに達すると予想している。