ギリシャ議会、チプラス政権を信任

ギリシャ議会は16日、隣国マケドニアの国名変更で合意したチプラス政権に対する信任投票を行い、賛成多数で信任案を可決した。これを受けてチプラス首相は月内に議会に国名変更の承認を求める。

マケドニアは1991年に旧ユーゴ連邦から独立した際、憲法で正式名称を「マケドニア共和国」とした。しかし、ギリシャが古代ギリシャの英雄アレキサンダー大王の出身地である同地の名前を全面に出した国名に反発。マケドニアのEU加盟に拒否権を発動してきた。

両国政府は昨年6月、国名を北マケドニア共和国とし、ギリシャがマケドニアのEU加盟を支持することで合意。両国議会の批准によって新国名が正式に採用されることになった。マケドニア議会は国名を変更するための憲法改正案を11日に可決した。

ギリシャではチプラス首相率いる与党・急進左派連合(SYRIZA)と連立政権を組んできた右派政党「独立ギリシャ人」が、マケドニアとの合意に反発し、13日に連立離脱を表明。チプラス首相は事態打開に向けて信任投票実施に踏み切った。

議会(定数300)ではSYRIZAの議席が145議席と過半数を割り込んでいるが、信任投票採決では独立ギリシャ人の一部議員と無所属議員が賛成に回り、賛成151、反対148の僅差で政権続投が決まった。

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