EUがマスターカードに制裁、決済手数料めぐる違反で

欧州委員会は22日、クレジットカード大手のマスターカードが適用している決済手数料に関するルールがEU競争法に違反したとして、約5億7,056万ユーロの制裁金支払いを命じたと発表した。マスターカードが不当にカード決済のコストをつり上げ、域内の小売業者や消費者に損害を与えているとして、厳しい制裁を科した。

欧州委が問題視したのは、「インターチェンジ・フィー」と呼ばれる決済手数料のシステム。インターチェンジ・フィーは小売業者の決済を代行する銀行が、消費者が買い物に使ったカードを発行した銀行に支払うものだが、実際は加盟店が負担しており、最終的に小売価格に転嫁されてカード会員以外の消費者にも影響が及んでいる。

EUでは2015年からクレジットカードやデビットカードによる決済時の手数料に上限を設ける規制が導入されたが、現在も手数料は国によってばらつきがある。欧州委によると、マスターカードのシステムでは域内のある国の加盟店が手数料の安い国の銀行を使って決済できない仕組みとなっており、国境を越えた銀行間の公正な競争を不当に阻害していると判断した。

制裁額はマスターカードが調査に協力したことから、10%減額された。

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