英国の大手小売り企業や業界団体の代表は1月28日、英国のEU離脱に関連して英下院に連名で書簡を送り、「合意なき離脱」となった場合は食材などの供給が混乱し、深刻な品不足や価格上昇を招くと警告した。メイ首相はEUとの再交渉を目指す方針だが、EU側は再交渉を拒否する立場を変えておらず、EUとの取り決めがないまま3月末の離脱日を迎えるリスクが高まっている。小売業界は物流の混乱で生活必需品が欠乏する事態を避けるため、無秩序離脱の回避に全力を挙げるよう求めている。
書簡は英小売協会(BRC)のトップ、大手スーパーのセインズベリーやアスダの最高経営責任者(CEO)、ファストフード大手マクドナルドやKFCの英法人のトップなどが連名で送った。書簡は英国で消費される食品の3分の1がEUから輸入されていると指摘。合意なき離脱を迎えた場合、保存が難しい生鮮食料品を中心に多くの商品が深刻な品不足となり、輸入品に関税がかかると価格上昇につながると警告。あらゆる選択肢を検討して最悪のシナリオを回避するよう訴えた。