「合意なき離脱」でも情報共有、英・EUの金融監督当局が合意

英国とEUの金融監督当局は1日、英国のEU離脱が仮に「合意なき離脱」となった場合でも、相互に金融監督に関する協力関係を維持することで合意したと発表した。金融機関に関する情報や取引データなどを引き続き共有できるようにし、監督機関が確実に機能する体制を確保することで混乱を回避する狙いがある。

英国の金融行為監督機構(FCA)が欧州証券市場監督機構(ESMA)やEU加盟国の証券当局などと覚書を交わした。双方は格付け会社や資産運用会社、デリバティブ(金融派生商品)の取引データを管理する取引情報蓄積機関などに関する情報を、引き続き相互に提供できるようにする。

英国は離脱に伴いEUの規制制度から離れるため、合意なき離脱となった場合、当局間で必要な情報のやり取りができなくなる恐れがあった。ESMAは覚書を結んだことで「引き続きEU内の投資家保護や市場の秩序、金融安定といった使命を果たすことができる」と強調している。

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