破綻のアリタリア買収、伊国鉄がデルタなどと協議へ

イタリア国鉄のフェッロヴィーエ・デッロ・スタート(FS)は13日、経営破綻して政府の管理下にある伊アリタリア航空の共同買収について、米デルタ航空、英格安航空会社(LCC)のイージージェットと交渉を開始することを明らかにした。FSがアリタリアに過半数を出資する方向で協議を進めると目される。

アリタリアはLCCや高速鉄道との競争激化などで業績が悪化。資金繰りに行き詰まって自主再建を断念し、2017年5月に政府の管理下に置かれた。政府がつなぎ融資を提供して同社の営業を継続させながら、政府の主導で他社への売却を模索してきた。

これまでに欧州航空大手ルフトハンザ、エールフランスKLMなどが買収に名乗りを上げたが、イタリア政府が関与しない完全買収、大規模な人員削減という条件で政府と折り合わなかったことなどで実現に至っていない。

政府からアリタリア救済を要請されたFSは、他社との共同出資を前提に応じる構えを示していた。同社によると、デルタとイージージェットはアリタリアの共同買収に前向きで、協議を開始することになった。

デルタ、イージージェットと伊政府も同日、FSの発表内容を確認。伊コンテ首相は声明で、3社による買収がEUのルールに違反せず、長期的に持続可能な事業プランが用意されれば、支持する意向を表明した。

昨年の総選挙で発足した新政権はアリタリア救済について、国内企業が過半数を出資するという条件での買収しか認めない方針を打ち出している。このため、国内メディアはFSが新生アリタリアの株式の過半数を握る形での買収になると報じている。

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