欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/7/28

西欧

英BスカイB、フォックスの独・伊有料TV事業買収

この記事の要約

米メディア・エンターテイメント大手21世紀フォックス傘下の英衛星放送最大手BスカイBは25日、フォックスがドイツ、イタリアで展開する有料テレビ事業を買収することで合意したと発表した。買収総額は約53億ポンド(約66億8, […]

米メディア・エンターテイメント大手21世紀フォックス傘下の英衛星放送最大手BスカイBは25日、フォックスがドイツ、イタリアで展開する有料テレビ事業を買収することで合意したと発表した。買収総額は約53億ポンド(約66億8,000万ユーロ)。これによってBスカイBは米ケーブルテレビ(CATV)大手リバティ・グローバルに次ぐ欧州2位の有料テレビ会社となる。

買収するのは、スカイ・ドイチュラントとスカイ・イタリア。21世紀フォックスが保有するスカイ・ドイチュラントの株式57.4%と、スカイ・イタリアの株式100%を取得する。買収額はスカイ・ドイチュラントが29億ポンド、スカイ・イタリアが24億5,000万ポンド。スカイ・イタリアの買収では現金20億7,000万ポンドを支払い、残りはBスカイBが保有するナショナル・ジオグラフィック・チェンネルの株式との交換となる。

21世紀フォックスが39%を出資するBスカイBは、英国の有料テレビ市場を支配してきたが、独占していた英イングランドのサッカー「プレミアリーグ」の放映に英通信最大手BTが参入するなど競争が強まり、収益が伸び悩んでいる。このため、同系列の独、伊2社を傘下に収め、事業基盤を強化する。

加入者数はスカイ・ドイチュラントが370万人、スカイ・イタリアが480万人。BスカイBは買収より加入者が約2,000万人に拡大する。

メディア王ルパート・マードック氏率いる21世紀フォックスは、米タイムワーナーの買収に乗り出しており、今回の株式売却で得た資金を同買収に注ぎ込む方針だ。