EUの欧州証券市場監督機構(ESMA)は18日、英国が合意なしでEUから離脱しても、英国のデリバティブ取引の中央清算機関(CCP)がEU内の顧客にサービス提供を続けることを認めると発表した。これによって英国がEUとの取り決めがないまま3月29日に離脱しても、英・EU間の域内のデリバティブ決済が混乱する事態を回避できることになった。
3月末に英国がEUとの合意がないまま離脱した場合、EU内に拠点を置く金融機関は英国のCCPを利用できなくなり、デリバティブ取引の決済処理が混乱する。このため、ESMAは2018年、「合意なき離脱」に至っても、EUが英国のCCPを認定することで、当面は英の清算機関がEUの顧客へのサービス提供を継続できるようにすることを決定。英の関連規制がEUと同等と認めた上で、LCH、ICEクリア・ヨーロッパ、LMEクリアの3社を「第三国清算機関」と認定した。
これによってLCHなど3社は合意なき離脱となった場合も、翌日から1年間にわたってEU内の金融機関へのサービスを継続できる。
ESMAは英国の証券集中保管振替機関(CSD)にも同様の措置を適用することになっており、近く認定する見通しだ。