蘭政府がエールフランスKLM株を買い増し、仏政府とほぼ同等の出資比率に

オランダ政府は2月27日、欧州航空大手エールフランスKLMの株式を買い増し、出資比率を14%に引き上げたと発表した。これにより、14.3%を出資する筆頭株主のフランス政府とほぼ並ぶ主要株主となった。仏政府は出資比率の引き上げについてオランダ側から事前に知らされておらず、当初は不快感を示していたが、1日に両国の関係閣僚が会談。双方が連携してエールフランスKLMの競争力強化を目指す方針で一致した。

エールフランスKLMは2004年、仏エールフランスとKLMオランダ航空が経営統合して誕生した。これまではフランス側が主導権を握っており、人事や経営方針にオランダ側の意見が十分に反映されていないとの不満が高まっていた。オランダ政府は特にKLMの発着枠がフランス側に移された場合、アムステルダム郊外のスキポール空港がハブ空港としての機能を失う事態を懸念していた。

オランダ政府は同社の株式5.9%を保有していたが、26日から27日にかけて株式を買い増した。フクストラ財務相は出資比率の引き上げについて「エールフランスKLMの将来に対して直接的な影響力を行使し、オランダの利益を最大化するための措置だ」と説明した。これに対し、マクロン仏大統領は27日の会見で「株式の買い増しについて事前の連絡はなかった。オランダ政府に説明を求める」と述べ、不快感を示した。

両国の緊張が高まる中、オランダのフクストラ財務相とフランスのルメール経済・財務相は1日、パリで会談した。両氏はエールフランスKLMの経営方針や成長戦略について検討する作業部会を立ち上げ、6月末までに結論をまとめることで合意した。作業部会では両国政府の持ち株比率や、ハブ空港であるパリ近郊のシャルル・ドゴール空港とスキポール空港の役割などについて検討する。

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