スウェーデン通信機器大手エリクソンがルーマニアにアンテナ生産拠点を確保する。2月25日に明らかにした独アンテナ技術大手カトラインの移動体通信アンテナ・フィルター事業部門の買収計画に伴うもので、ルーマニア西部ティミショアラにある子会社も傘下に収める。第5世代移動通信サービス(5G)を視野に、同分野の技術力と競争力の向上を図る目的で、今年第3四半期(7~9月)の買収手続き完了を見込む。
買収を通じ、ルーマニアをはじめドイツ、米国、メキシコ、中国にある移動体通信アンテナ事業の約20拠点と、研究開発、生産、販売部門の従業員約4,000人がエリクソンに吸収される。ルーマニア子会社は2つの工場を持ち、従業員は2,000人超。年商は約7億5,500万レイ(1億5,900万ユーロ)で、同事業の中核的生産拠点となっている。
1919年創業のカトラインはアンテナおよびフィルター技術の世界大手で、研究開発力に加えインターネットラジオに必要なIPR技術にも強い。エリクソンはアンテナ事業の戦力向上をネットワーク事業戦略の重要な柱と位置づけており、今回の買収により最先端ラジオネットワークの開発でも貢献すると期待している。