ギリシャが9年ぶりに長期国債発行、順調に25億ユーロ調達

ギリシャ政府は5日に10年物国債の入札を実施し、25億ユーロを調達した。長期国債による資金調達は、債務危機に見舞われた2010年以来、9年ぶり。EUによる支援が終了しても信用力が回復していることが裏付けられた格好となる。

平均落札利回りは3.9%。当初見込んでいた4.125%を下回った。需要は旺盛で、応募は発行枠を大きく超える118億ユーロに達した。

10年に深刻な債務危機に陥ったギリシャは、同年から12年にかけてEUと国際通貨基金(IMF)から総額2,400億ユーロの金融支援を取り付け、財政再建に取り組んできた。その結果、14年には国債発行で資金を調達できる状態まで回復した。しかし、15年に反緊縮を掲げるチプラス政権が発足し、金融支援継続が不透明となったことで状況が悪化したため、2015年にEUが総額860億ユーロに上る第3次支援に実施を決定。これでようやく危機が沈静化し、18年8月20日に支援が終了した。

支援終了後の国債発行は2度目。1月に5年物国債の入札を実施し、25億ユーロを調達していた。

ギリシャは財政改善を受けて国債が値上がり傾向にある。国債の格付けはなお投機的水準にとどまっているものの、米ムーディーズが先ごろ、長期信用格付けを2段階引き上げたことを受け、10年物国債の流通利回りは12年ぶりの低水準まで低下していた。この流れが追い風となり、今回の入札を順調に終えた。

ギリシャは年内に国債発行で最大70億ユーロを調達することを目指している。

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