アイスランドの格安航空会社WOWエアは3月28日、経営破綻したと発表した。これに伴い、全便の運航が同日に突然中止され、予約していた数千人の旅客が欧米の空港で足止めされる事態となった。
WOWエアは2011年創業の格安航空会社(LCC)。アイスランドの首都レイキャビクを経由して欧州と北米の主要都市を結ぶ便を運航してきた。
同社は急成長を遂げ、年間旅客数が60%も増える時期もあったが、LCCの泣き所である旅客1人当たりの収入(客単価)はこのところ低迷し、17年には前年比で約20%減少。資金繰りが厳しい状況にあった。
同社は危機を乗り越えるため、債務の証券化や増資、アイスランド航空最大手アイスランド航空への身売りなどを模索した。しかし、いずれも実現に至らず、資金繰りに行き詰まって突然の廃業発表となった。
英フィナンシャル・タイムズによると、28日には約4,000人の旅客が運航中止の影響を受けたという。
欧州のLCC市場では競争激化で多くの企業が厳しい状況にあり、2月に独ゲルマニア航空が経営破綻したばかり。2017年には英モナーク航空、独エア・ベルリンが破綻に追い込まれた。