シーメンス、中国電力大手SPICと戦略提携

電機大手の独シーメンスは3月26日、中国国有電力会社の国家電力投資集団公司(SPIC)と包括的な戦略提携を締結した。SPICに対しては昨年、大型ガスタービンの研究・開発を支援することなどで基本合意しており、協力関係を大幅に拡大することになる。中国の発電市場は長期成長が見込まれることから、同国事業を強化する意向だ。

シーメンスは昨年7月、SPICとの協業を通して、中国が取り組む国産大型ガスタービンの開発を支援することを取り決めた。具体的には旧型の「Fクラス」タービンの開発に協力することで基本合意。SPIC子会社のUGTCとの間で先ごろ、本契約を締結した。ガスタービンの開発をデザイン、エンジニアリング、テスト面で支援していく。中国は公害対策の一環で、環境負荷の大きい石炭発電を負荷の少ないガス発電に切り替えてく方針のため、大型ガスタービンの需要は長期の拡大が見込まれている。

SPICとの今回の戦略提携では◇発電所のデジタル化や水素プロジェクト、分散型エネルギー向けのスマートな電力管理などハイテク分野で協業する◇中国にサプライヤー網を構築する◇プロジェクト遂行のほか、発電施設とガス関連施設を一体開発する「ガス・トゥ・パワー」プロジェクトの開発を世界的に共同で行う――ことを取り決めた。

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