バイエル、iPS細胞ベースのがんワクチン開発で米社と提携

製薬大手の独バイエルは2日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)をベースとするがんワクチンの開発で米国の新興企業クロリスと提携すると発表した。医療・農業関連の画期的な新技術の実現を支援する子会社リープス・バイ・バイエルを通じて資金を提供するほか、全世界の研究開発網を同ワクチンの開発に活用する。取引の詳細は明らかにしていない。

iPS細胞は血液や皮膚の細胞から作ることができる万能細胞。体の様々な細胞に分化できることから、医療への投入に向けて世界各地で研究開発が行われている。

クロリスはスタンフォード大学医学部で開発された技術を実用化する目的で2017年に設立された。iPS細胞を用いてがんワクチンを開発することを目指している。

同医学部がマウスを使って行った実験では、iPS細胞を用いると、免疫システムは様々な種類のがんから生体を保護する働をするようになることが確認された。手術後や放射線治療後の補助療法で用いると、再発や転移を防止できるという。

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