米通商代表部(USTR)は8日、EUによるエアバスへの補助金支給が世界貿易機関(WTO)から不当と認定されたことを受けてEU製品に課す報復関税の対象品目のリストを公表した。航空機のほか食品、農産物など幅広い品目が対象となっている。
対象品目にはエアバスの生産拠点があるフランス、スペイン、ドイツ、英国が輸出する航空機、ヘリコプター、航空機部品のほか、EU産の乳製品、ワイン、オリーブ油、フルーツ、台所用品など多岐にわたる。
USTRはエアバスへの不当な補助によって米国が年112億米ドルの損害を受けたと主張。これに基づき、報復関税の品目を決めた。WTOの仲裁機関が今夏に算定する損害額に沿って、最終的なリストを固める。
EUと米国はエアバスとボーイングの新型機開発に相手側が不当な支援を行っているとして、WTOを舞台に2004年から提訴合戦を繰り広げてきた。WTOは米国によるボーイング支援も不当と認定しており、両者痛み分けの形となっている。
USTRはEUがWTOから不当と認定されてからもエアバス支援を続けているとして、報復関税を課す準備に入った。支援が打ち切られるまで課税を続けるとしている。