欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2019/4/15

EU情報

欧州委がGEに5200万ユーロの制裁、買収時の不正確な情報提供で

この記事の要約

欧州委員会は8日、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が風力発電用ブレード大手LMウィンド・パワー(デンマーク)の買収に際し、同委に不正確な情報を提供したとして、5,200万ユーロの制裁金を科したと発表した。EUの合併規則 […]

欧州委員会は8日、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が風力発電用ブレード大手LMウィンド・パワー(デンマーク)の買収に際し、同委に不正確な情報を提供したとして、5,200万ユーロの制裁金を科したと発表した。EUの合併規則は買収の承認審査にあたり、企業に対して正確な情報を提供するよう義務付けており、違反した場合は世界における売上高の最大1%に相当する制裁金を科される可能性がある。欧州委は2年前、米フェイスブックに対して初めて同規則に基づく制裁金の支払いを命じており、GEは2件目のケースとなった。

GEは16年10月、LMウィンドを16億5,000万ドルで買収することで合意した。GEは17年1月に買収計画を欧州委に届け出た際、建設中の洋上風力発電施設に設置するのは既存の6メガワットのタービンのみと説明していたが、欧州委は第三者から入手した情報により、実際にはGEが出力12メガワットのタービン開発を進めていることを確認した。

GEはこれを受け、同年2月にいったん買収の承認申請を取り下げたうえで、翌日に将来の事業計画に関する詳細情報を添えて再申請。欧州委は3月に買収計画を承認する一方、GEが当初の承認申請で欧州委に不正確あるいは誤解を招く情報を提供し、合併規則が定める義務に違反した可能性があるとして、同年7月に異議告知書を送付していた。

なお、欧州委は2回目の届出で提出された正確な情報に基づいてLMウィンドの買収を承認しており、今回の措置が承認の判断自体に影響することはないと説明している。