製薬・化学大手の独メルクは12日、半導体材料大手の米バーサムを買収することで合意したと発表した。バーサムは米特殊化学大手インテグリスと合併合意していたが、メルクがより高い買収条件を提示したことから、方針を転換した。メルクは買収手続きがバーサムの臨時株主総会と当局の承認を経て、下半期に完了すると見込んでいる。
メルクは2月末、株式交換を通したインテグリスとの合併を決めていたバーサムに買収提案を行った。1株当たりの買収額は48ドルで、バーサムの株主にとってはインテグリスとの合併より好条件だった。しかし、バーサムの経営陣は受け入れを拒否。メルクがこれを受けて敵対的な株式公開買い付け(TOB)に踏み切る意向を示したところ、協議に応じる姿勢にと転換した。
メルクは協議のなかで買収額を1株53ドルへと引き上げる意向を示した。バーサムはこれに応じ、インテグリスが11日までに新たな提案を行わなければ、メルクによる買収を正式に支持する意向を8日に表明。インテルグスが新たな提案を提示しなかったことから、買収合意に至った。