安川電機は10日、スロベニア南部コチェーヴィエの産業用ロボット工場が竣工したと発表した。同地での拠点開設で欧州顧客のニーズに対応する。また、新たなサプライチェーンを構築して欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域への供給を迅速化し、潜在需要の掘り起こしを狙う。新工場への投資額は約2,500万ユーロで、スロベニア政府から560万ユーロの助成を受けた。
新工場は生産面積が1万平方メートル弱、オフィス面積が2,600平方メートル。スロベニア首相府によると、年産能力は当初4,000台で、2021年度までに6,000台に拡大する。これに伴い、従業員も50人から最大250人まで増員する見通しだ。
安川電機はさらに2,000万~3,000万ユーロを投じ、ロボットアーム部品工場をコチェーヴィエに設置する計画を発表しており、長期的にコチェーヴィエの2工場で最大500人を雇用する。
安川電機は、新興国の経済発展や労働力不足の解消に向けた自動化・省力化の流れで、世界のロボット市場が今後も大きく成長するとみる。コチェーヴィエ工場は、福岡の中間工場、中国・江蘇省の常州工場と並ぶグローバル生産体制を担う拠点として位置付けられている。