欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2019/4/15

東欧・ロシア・その他

シェル、ガスプロムとのバルト海LNGプラント合弁事業から撤退

この記事の要約

英蘭系石油大手シェルは10日、天然ガス世界最大手のロシア国営ガスプロムとのバルチック海液化天然ガス(LNG)合弁事業から撤退すると発表した。ガスプロムが3月29日、同事業を露ルスガスドビチャと共同で進める方針を打ち出した […]

英蘭系石油大手シェルは10日、天然ガス世界最大手のロシア国営ガスプロムとのバルチック海液化天然ガス(LNG)合弁事業から撤退すると発表した。ガスプロムが3月29日、同事業を露ルスガスドビチャと共同で進める方針を打ち出したのを受けたもの。サハリン2LNGプラントなど戦略提携合意に基づく他の共同プロジェクトへの影響はないとしている。

シェルとガスプロムは2016年にバルチック海LNGプロジェクトの提携で基本合意した。翌年、合弁会社バルチックLNGの設立で合意し、昨年は技術コンセプトについて大枠合意していた。しかし、ガスプロムはLNGプラント最終コンセプトの発表でシェルには言及せず、プロジェクト運営母体としてルスガスドビチャと合弁会社ルスキムアリアンスを設立することを明らかにした。同合弁を通じた最初の施設は23年後半の稼働開始を予定する。

バルト海LNGプラントの建設地はフィンランド湾の南に位置するウスチ・ルーガ港湾地区で、年産能力1,000万トンを予定する。LNGの長期的な需要成長をにらみ、大西洋沿岸地域や中東、南アジアのほか、バルト海や北海沿岸諸国への販売を狙う。