EU統計局ユーロスタットが4月30日発表したユーロ圏の2019年1~3月期の域内総生産(GDP、速報値)は前期比0.4%増となり、伸び率は前期の0.2%を0.2ポイント上回った。英国のEU離脱をめぐる混迷、EUと米国の通商交渉など不透明感は広がっているものの、個人消費が雇用の改善に支えられて堅調なことなどで、予想を上回る成長となった。
ユーロ圏のプラス成長は24四半期連続。前年同期比の伸び率は前期と同水準の1.2%だった。EU28カ国ベースのGDPは前期比0.5%増。伸び率は前期から0.2ポイント拡大した。前年同期比は1.5%増で、伸び率は横ばいだった。
これまでに主要国の当局が発表した同期のGDP統計によると、18年10~12月期まで2四半期連続のマイナス成長だったイタリアが前期比0.2%増となり、景気後退から脱却した。製造業、サービス業の復調と輸出拡大に支えられた。フランスは0.3%増。停滞していた個人消費が0.4%増と回復し、堅調を維持した。スペインは0.6%増と、伸び率は前期の0.7%から縮小したものの、高い伸びを保った。
ユーロスタットは5月15日に改定値と国別のGDPを発表することになっている。