欧州委がインベブに2億ユーロの制裁、ビール販売めぐる競争法違反で

欧州委員会は13日、ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ、本社ベルギー)がEU競争法に違反したとして、約2億ユーロの制裁金支払いを命じたと発表した。近隣諸国から安価な自社製品が流入するのを不当に妨げたことが、競争法で禁止されている市場支配的地位の乱用にあたると判断した。

欧州委が問題視したのは、インベブの主力商品で、国内ビール市場で4割のシェアを持つ「ジュピラー」の販売。これらはビール市場の競争が激しいオランダで、ベルギーより安く販売されている。欧州委は2016年、同社が国内市場での支配的地位を悪用し、「並行輸入」を妨げている可能性があるとして調査を開始。17年11月に異議告知書を送付していた。

欧州委は最終的に、インベブが09年2月から16年10月にかけて、ベルギーのスーパーや量販業者がジュピラーをオランダで仕入れ、ベルギーで安値で販売するのを妨げていたと結論付け、制裁を科した。具体的には◇ジュピラーをオランダの小売り・卸売り業者に供給する際にラベル表示を変え、ベルギーで販売しにくいようにした◇オランダから再輸入されるのを防ぐため、同国の卸売業者への供給を制限した◇ベルギーの小売業者にオランダからジュピラーを仕入れないよう迫り、応じない業者への供給を拒否した――といった行為を違法と認定した。

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