英BTグループ傘下の英携帯電話最大手EEは22日、英国初となる次世代移動通信システム「5G」の商用サービスを今月30日から開始すると発表した。まずロンドンなど6都市から始め、段階的に対象エリアを拡大する。当初は中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)のスマートフォンを扱う計画だったが、米国の禁輸措置を受けて米グーグルが基本ソフト(OS)「アンドロイド」の供給を制限する可能性を示唆したことから、採用を見送った。
EEが月内に5Gサービスを開始するのはロンドン、カーディフ、エジンバラ、バーミンガム、マンチェスター、ベルファストの6都市。年末までにブリストル、グラスゴー、リバプール、ニューカッスルなどさらに10都市でのサービス開始を目指す。
EEは当初、韓国のサムスンやLGなどの5G対応スマホと並び、ファーウェイの「Huawei Mate 20 X 5G」を採用する計画だった。しかし、グーグルが安全保障上の懸念を理由とした米国の制裁措置に追随する方針を示したことで、EEはアンドロイドの更新ができなくなったり、関連ソフトが使えなくなる怖れがあると判断。「顧客が長期的にサポート受けられるという確実な情報と保証」が得られるまで、ファーウェイ製端末の「採用を見合わせる」と発表した。
一方、通信インフラに関しては、ファーウェイ製品をネットワークから排除する作業を進めているものの、当面は部分的に同社製品を使用すると説明している。BTグループのハワード・ワトソン技術・サービス・運営担当最高責任者は「当面はファーウェイ製品を使って5Gサービスを開始するが、インフラの更新を急いで中核部分から同社製品を排除する」と述べた。