新100ユーロ・200ユーロ札の流通開始、初代紙幣の刷新完了

欧州中央銀行(ECB)は5月28日、100ユーロと200ユーロの新紙幣の流通を開始した。セキュリティ強化のため段階的に進めてきた新デザインへの移行の一環で、今回の新紙幣導入をもって2013年にスタートした初代紙幣の刷新が完了した。

ECBは12年11月、ユーロ現金の流通開始から10年が経過し、紙幣の偽造防止技術が大きく向上したことを背景に、少額紙幣から順次、新紙幣に切り替えると発表。13年5月の5ユーロ札を皮切りに、これまでに10ユーロ札(14年9月)、20ユーロ(15年11月)、50ユーロ札(17年4月)を刷新した。いずれもヨーロッパという言葉の語源とされるギリシャ神話に登場する王女「エウロペ」の肖像をデザインに採用している。

100ユーロと200ユーロの新紙幣には、これまでのエウロペ・シリーズと同様の偽造防止技術に加え、サテライトホログラムと呼ばれる新技術が用いられている。表面にはエウロペの肖像や建築物、ユーロのマークなどが配置され、小さいユーロマークが埋め込まれたエメラルドの額面数字は角度によって色が変わる。

また、新紙幣はいずれも縦の長さが50ユーロ札と同じになった。ECBはこれにより、従来と比べて扱いやすく、かつ傷みにくくなると説明している。

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