欧州自動車工業会(ACEA)が18日に発表したEU(マルタを除く27カ国)の5月の新車販売(登録)台数は140万518台で、前年同月から0.1%増加した。ドイツの復調で9カ月ぶりにプラスとなった。(表参照)
EU新車市場では、乗用車の新たな排ガス試験が昨年9月に全面的に導入され、その直前に同試験に対応していない車両の販売が急増した反動で、8カ月連続で販売が落ち込んでいた。
最大の市場であるドイツも不振が続いていたが、5月はフォルクスワーゲン(VW)などが旧型のディーゼル車からエコカーに買い換える顧客にキャッシュバックする販売促進策を導入したほか、営業日が前年同月より2日多かったことなどで9.1%増とプラスに転じた。
このほかの主要市場はフランスが1.2%増と2カ月連続で伸びたが、イタリアは1.2%、英国は4.6%、スペインは7.3%の幅で低迷した。
欧米の主要メーカーはPSAグループが4.3%増、BMWが8.8%増、ダイムラーが0.4%増となったが、最大手のVWは2.1%、ルノーは3.7%、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は8.1%、フォードは4.4%の幅で落ち込んだ。
日本勢はトヨタが11.8%増、マツダが11.6%増、三菱が22.1%増と好調だった。日産は17.9%減、ホンダは18.6%減と振るわなかった。
EU27カ国にアイスランド、ノルウェー、スイスを加えた欧州30カ国ベースの5月の販売台数は0.04%増の144万3,708台だった。