インド自動車大手タタ・モーターズ傘下の英ジャガー・ランドローバー(JLR)は5日、英国内で電気自動車(EV)の新モデルを生産すると発表した。EU離脱を控えホンダや米フォード・モーターが相次いで工場の閉鎖を打ち出すなか、JLRの決定は英自動車業界にとって久しぶりの明るい材料となった。
英中部キャッスルブロムウィッチの工場を拡張し、第1弾として高級セダン「ジャガーXJ」の新モデルを生産する。現在およそ2,500人を擁する同工場で新たに数千人を雇用し、数億ポンドを投じて生産設備を拡充する。生産開始の時期は不明だが、JLRは2020年以降に発売する全車種に電動モデルを設定する方針を打ち出しており、その一環となる。なお、EV用バッテリーは英中部ハムズホール、モーターは同ウォルバーハンプトンの工場で生産する。
JLRは1月、景気が減速している中国での販売不振などを理由に、英国を中心に4,500人を削減すると発表していた。ラルフ・スペッツ最高経営責任者(CEO)は「自動車の未来は電動化にある。JLRは先見性のある英国企業として、排出量ゼロの次世代車を国内で生産することを約束する」と述べた。