仏化粧品大手ロレアルは2日、同業の仏クラランス・グループが展開する香水ブランド「ミュグレー」と「アザロ」の買収に向け、同社と独占交渉を進めていると発表した。ロレアルが提示した買収額は不明。競争当局の承認など所定の手続きを経て、年内の取引完了を目指す。
交渉が成立すると、ロレアルはミュグレーの香水およびファッション事業と、アザロの香水およびアクセサリー事業を取得する。ロレアルは香水事業を成長戦略の柱と位置づけており、両ブランドの買収をテコに、競争が激しい同分野で主導権確保を狙う。一方、クラランスは香水事業から撤退し、スキンケアと化粧品事業に注力する。クラランス幹部によると、ミュグレーとアザロを合わせた売上高は4億1,600万ユーロに上り、これはグループ全体の年間売上高(約16億ユーロ)の26%に相当する。
「ランコム」や「イヴ・サンローラン」、「ジョルジオ
アルマーニ」などのブランドを統括するロレアル・リュクス事業本部のチャプイ社長は「香水事業は成長に向けたグローバル戦略の要だ。ファッションと香水の分野で長い歴史を持つミュグレーとアザロの取得により、当社のブランド資産は完璧なものになるだろう」と述べた。