伊電力最大手エネルがルーマニア事業の売却を検討している。伊経済紙イル・ソル24オレがこのほど報じたもので、オーストラリアの投資ファンドやシンガポールとクウェートの政府系ファンドが買収に関心を示している。売却額は約10億ユーロと予想される。
エネルは2014年7月に40億ユーロに上る資産売却の一環としてルーマニアの送配電事業に関連する5社を売却する計画を明らかにしていたが、翌15年に負債の削減が進んだことを理由に売却手続きを中止していた。
今回の売却先としては、オーストリアの投資ファンド、マッコーリーやシンガポール政府系ファンドのGIC、クウェート投資庁(KIA)
傘下のインフラ投資会社が候補に挙がっている。
エネルはルーマニアで、送・配電事業を行う5社(エネル・エネルギエ・ムンテニア、Eディストリビュティエ・ムンテニア(株式保有比率各78%)、Eディストリビュティエ・バナト、Eディストリビュティエ・ドブロゲア、エネル・エネルギエ(各51%))と、エネル・ルーマニア(100%)を傘下に持つ。同グループが保有する計12万8,000キロメートルの送電網で年間15テラワット時を送電するほか、300万戸の家庭に10テラワット時を販売している。
エネルの同国事業の昨年の売上高は約12億ユーロ、営業利益(EBITDA)は2億3,000万ユーロだった。