ギリシャの新首相が就任、新政権発足

ギリシャで8日、前日に投開票された総選挙で勝利した中道右派・新民主主義党(ND)を率いるミツォタキス氏(51)が新首相に就任した。9日に組閣を終え、同日に新政権が発足した。

新政権が最重要課題とする財政健全化と経済成長の実現を担う重要ポストの財務相には、元財務次官のスタイクウラスが就任した。外相には防衛相などを務めた経歴があるデンディアス氏を起用した。

総選挙では与党の急進左派連合(SYRIZA)が、チプラス首相がEUから追加の金融支援を取り付けるため、当初約束していた財政緊縮脱却の撤回を迫られたことで国民の反発を浴びて大敗。NDが4年半ぶりに政権を奪回した。

ミツォタキス新首相は、法人税の引き下げ、規制緩和といった「ビジネス・フレンドリー」政策を推進することで経済再生と雇用改善を実現し、財政健全化を進める意向を表明している。ただ、ギリシャは18年8月にEUの金融支援から脱却したものの、EUとの約束に沿って、向こう数年間は基礎的財政収支を国内総生産(GDP)比3.5%以上の黒字とすることを求められており、減税しながらの財政改善には大きな課題がある。

このため、ミツォタキス首相は選挙戦でEUと交渉し、この黒字目標に見直しを取り付ける考えを示していたが、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のセンテノ議長は8日、会合後に記者団に対して「約束は約束だ」と述べてミツォタキス首相をけん制し、見直しに応じない構えを示した。

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