Swiss Re:スイス再保険、英生保子会社のIPO見送り、投資家の需要弱く上場当日に判断

再保険大手のスイス・リー(スイス再保険)は11日、英生命保険子会社リアシュアの新規株式公開(IPO)を取りやめたと発表した。ロンドン証券取引所に同日上場する予定だったが、低迷が続く欧州IPO市場で投資家の需要が弱いため、中止に踏み切った。同社は引き続きリアシュアへの出資比率を引き下げたい意向だが、年内にIPO手続きを再開する予定はないと説明している。

スイス再保険は6月にリアシュアの上場計画を発表した。全株式の少なくとも25%を上場し、出資比率を現在の75%から50%未満に引き下げる方針で、IPOの仮条件を1株2.8~3.3ポンドに設定した。IPOが実現すれば、リアシュアの時価総額は最大33億ポンドに達するはずだったが、欧米メディアは10日、スイス再保険がIPOの延期を検討していると報じていた。

スイス再保険のジョン・デイシ―最高財務責任者(CFO)は声明で「長期的には株主を多様化することがリアシュアの利益につながると確信しているが、将来の見通しを含め、リアシュアの価値を過小評価した現在の価格で株式を手放さなければならない差し迫った必要性はない」とコメントした。また、広報担当はロイター通信の取材に対し、年内に上場手続きを再開することは考えていないものの、将来的には依然として選択肢の1つだと述べた。

リアシュアは自社で保険契約を獲得せず、他の生保会社の契約を買い取って業務を行うクローズドブック事業を展開している。低金利などを受けて英国のクローズドブック市場は持続的な成長が見込まれている。なお、リアシュアに25%出資するMS&ADインシュアランスグループホールディングスは、今後も株式を維持する方針を示している。

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