Bayer:バイエル、動物薬事業を米エランコに売却

製薬・農業化学大手の独バイエルは20日、動物薬事業を米エランコに売却することで合意したと発表した。経営資源を絞り込み収益力を引き上げる方針に基づく措置。エランコは動物薬で世界2位メーカーに浮上する。

バイエルは動物薬事業を総額76億ドルで譲渡する。うち現金は53億ドルで、残り23億ドルはエランコ株で受け取る。独禁当局の審査を経て売却手続きが来年半ばに完了すると見込んでいる。バイエルのエランコに対する持ち株比率は、取引完了時点の株価に応じて最大で25.5%、最低で10.5%程度となるもようだ。

バイエルは昨年11月、事業を集約する方針を打ち出した。米農業化学大手モンサントを買収したことで債務が膨らんだうえ、巨額訴訟リスクも抱え込んだことから、事業の見直しを求める投資家の圧力が高まったためだ。

すでに一般医薬品部門の一部の製品(日焼け止めクリーム「コパトーン」、フットケア剤「ドクター・ショール」)と、化学工業団地運営会社クレンタの持ち分60%を売却することで合意が成立している。バイエルは売却益を債務の圧縮と特許薬分野のポートフォリオ拡充に充てる意向だ。

動物薬市場の最大手は米ゾエティス。独ベーリンガー・インゲルハイム、米メルクが続く。エランコは4位、バイエルは5位につけている。

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