EU統計局ユーロスタットが8月30日に発表したユーロ圏の同月のインフレ率(速報値)は前年同月比1%で、前月から横ばいだった。欧州中央銀行(ECB)が目標とする2%を大きく割り込む状況が続いている。
分野別の上昇率は食品・アルコール・たばこが2.1%、エネルギーがマイナス0.6%、工業製品が0.4%、サービスが1.3%。ECBが金融政策決定で重視する基礎インフレ率(価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いたインフレ率)は、前月と同水準の0.9%だった。
ユーロ圏では物価が上がりにくい状態となっているほか、景気も減速している。ECBのドラギ総裁は7月25日に開いた定例政策理事会後の記者会見で、追加利下げと量的金融緩和の再開を検討していることを明らかにしており、9月12日に開く次回の理事会で追加緩和を決めるとの見方が強まっている。