欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2019/9/23

西欧

Thomas Cook:旅行大手トーマス・クックが破綻、資金繰りに行き詰まり

この記事の要約

欧州旅行大手の英トーマス・クックは23日、英国の裁判所に破産を申請した。

トーマス・クックは旅行代理店としてパッケージ旅行を企画販売しているほか、独自の航空会社も運営する企業。

英国のEU離脱をめぐる混迷で旅行需要が減って経営難が一段と深刻化していた。

欧州旅行大手の英トーマス・クックは23日、英国の裁判所に破産を申請した。同社は1841年創業の老舗旅行会社だが、追加の資金調達をめぐる交渉が不調に終わり、資金繰りに行き詰まって経営破綻に追い込まれた。

トーマス・クックは旅行代理店としてパッケージ旅行を企画販売しているほか、独自の航空会社も運営する企業。このところオンライン旅行代理店や格安航空会社との競争激化で経営不振が続き、巨額の債務を抱えている。英国のEU離脱をめぐる混迷で旅行需要が減って経営難が一段と深刻化していた。

同社は8月、筆頭株主である中国の投資会社、復星国際から救済のため2億ポンドの資金注入を受けることで合意したが、株主や債権者から追加で2億ポンドの調達を要求されていた。この調達に関する交渉が22日に決裂し、破産申請を迫られた。

トーマス・クックは23日に航空機の運航を含む営業を停止。これによって60万人以上の顧客が滞在先で立ち往生している。うち約15万人の英国人については、政府がチャーター機を手配し、無償で帰国できるようにする方針だ。