スロバキアの自動車部品・機械設備メーカーであるマタドールは16日、同国の電気自動車(EV)用電池メーカー、イノバットに資本参加すると発表した。イノバットが電池素材メーカーの米ワイルドキャット・ディスカバリー・テクノロジーと進めるバッテリー開発・生産プロジェクトを支援する目的だ。具体的な投資規模は明らかにしていない。
イノバットは今年7月、ワイルドキャットと提携し、研究開発(R&D)センターと年産能力1,500個(100メガワット時)のEV用電池生産ラインを設けると発表した。生産ラインは来年前半に着工、2021年末に稼働の予定だ。製品は中東欧で生産する自動車メーカーに供給する。投資総額は1億ユーロで、数百人規模の雇用創出が見込まれる。
長期的には生産能力を15万個(10ギガワット時)まで引き上げ、量産体制を整える。これはEV用電池の自給実現を目指すEUの方針にも合致する。
マタドールはこれまで培ってきたエンジニアリングとプロジェクト運営のノウハウを今回の生産ラインの開発・設置に役立てる。イノバットはマタドールとの提携がプロジェクトの成功だけでなく、主要自動車メーカーとの取引機会の拡大にもつながると期待している。