英中銀がリブラを導入前に監督へ、欧州委も規制検討に着手

イングランド銀行(英中銀)は9日、2日に開催した金融行政委員会(FPC)の議事要旨を公表し、米フェイスブックが発行を計画している暗号資産(仮想通貨)「リブラ」について、導入前の段階で適切に監督する方針を示した。リブラをめぐっては、各国の金融当局や中央銀行からマネーロンダリング(資金洗浄)や個人情報の不正利用などを警戒する声が上がっており、EUも暗号資産の規制を検討している。

リブラはフェイスブックがクレジットカード大手ビザ、マスターカードや配車アプリ大手ウーバーなど27社と組んで発行を計画しているデジタル通貨で、2020年の導入を目指している。FPCはリブラについて「重要な決済システムになる可能性がある」との認識を示したうえで、「このようなシステムは最高水準のレジリエンスを備え、適切な監視を受ける必要がある」と指摘。「サービスが始まる前に運用条件を決めなければならない」とし、規制当局に適切な対応を求めた。

一方、欧州委員会のドムブロフスキス副委員長(金融安定・金融サービス担当)は8日、リブラをはじめとする暗号資産をEUとして規制する意向を示した。11月に発足する次期欧州委で上級副委員長に指名されている同委員は、欧州議会の指名公聴会で「リブラなどの暗号資産に対してEU共通のアプローチが必要だ」と発言。サイバーセキュリティーや金融システムの安定に対する脅威に対処し、投資家保護を図る必要があると強調し、規制の枠組みについて検討を進めていると述べた。

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