英製薬大手GSK、2つのワクチン事業を売却

製薬大手の英グラクソ・スミスクライン(GSK)は21日、2つのワクチン事業をデンマークのバイオ製薬会社ババリアン・ノルディックに売却すると発表した。経営資源をがん治療薬事業に集中するのが狙い。売却額は最大9億5,500万ユーロに上る。

売却するのは狂犬病ワクチン「ラビピュール」とダニ媒介性脳炎ワクチン「エンピュール」。いずれも海外に渡航する前に接種する渡航ワクチンだ。ババリアン・ノルディックは両ワクチンを自社で完全生産する体制を5年以内に整える。それまではGSKが生産を続ける。

売却額は3億100万ユーロ。両ワクチンの今後の販売実績によって最大4億9,500万ユーロ、棚卸資産の売却で1億5,900万ユーロが上乗せされる。

GSKは一般用医薬品(大衆薬)事業を米ファイザーと統合することを決定。本体は医療用医薬品とワクチンに集中している。医療用医薬品では特にがん治療薬部門を強化しており、昨年12月に米がん治療薬メーカーのテサロを買収していた。

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