インフィニオンの日本事業好調、車載品で4位に

独半導体大手インフィニオンの日本事業が好調だ。2018年10月~19年6月(第1~3四半期)の売上高は前年同期比15%増の4億4,600万ユーロに拡大。増収幅は同社全体の7%を大幅に上回った。車載品部門がけん引している。

車載半導体部門は1998年、名古屋に事務所を開設し、日本に足場を築いた。ただ、日本市場の開拓は容易でなく、99年はシェアが1%にとどまった。現在はこれが7%に拡大し、市場4位に付けている。

高品質な納入実績を通して一歩一歩、信頼を獲得していったことが大きい。トヨタ自動車の広瀬工場から今年、5年連続の品質不良ゼロ納品を表彰された。インフィニオンの車載半導体事業を統括するペーター・シーファー氏は「日本事業は現在、中国と並んで最も早く成長している」と述べた。また、日本車向けに製品を供給しないことは市場の3分の1をみすみす放棄することだとも指摘し、日本市場の重要性を強調した。

インフィニオンにはデンソーが昨年、約0.2%出資した。同氏は「日本の他の顧客企業に対する重要なシグナルだった」述べ、日本での地歩固めに大きく寄与するとの見方を示した。インフィニオンは製品の多くをデンソーや日立、三菱電機など日本の大手サプライヤーを通じて自動車メーカーに供給している。

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