ユーロ圏の金融安全網である欧州安定メカニズム(ESM)は10月28日、ギリシャが債務危機に際して国際通貨基金(IMF)から受けた融資の一部を繰り上げ返済することを承認したと発表した。これによってギリシャは利払いのコストを減らすことができる。
ギリシャは2010年から12年にかけてEUと国際通貨基金(IMF)から総額2,400億ユーロの金融支援を取り付け、深刻な債務危機を何とか克服。昨年8月に支援を脱却した。現在は国債発行で資金を調達し、独自に財政再建を進めることができるようになっている。
政府は9月中旬、IMF融資の年利が4.9%と、10年物国債の利回り(1.6%程度)を大きく上回っていることから、約90億ユーロに上る融資残高のうち約27億ユーロの繰り上げ返済をESMに申請していた。
政府によると、繰り上げ返済によって利払いコストを7,000万ユーロ圧縮できるという。