高級ブランド大手の仏LVMHモエヘネシー・ルイ・ヴィトンは10月28日、宝飾品大手の米ティファニーに買収を提案したことを明らかにした。宝飾品事業の強化が狙いで、買収額は145億ドルに上る。
ティファニーは同日発表した声明で、買収提案を受けたことを確認。「取締役会が提案を慎重に検討する」としている。
LVMHの提案は、ティファニーを1株当たり120ドルで買収するという内容。同価格は前営業日(25日)の終値に22%を上乗せした水準となる。
LVMHはルイ・ヴィトン、クリスチャン・ディオール、フェンディ、ジバンシーといった高級ブランドや高級時計メーカーのタグホイヤーなどを傘下に持つ。米中貿易摩擦などで高級ブランド市場の先行き不安が広がり、競争が激化している中、世界を代表する宝飾ブランドのティファニーを傘下に収めることで宝飾品事業を強化し、アジアに次ぐ市場である米国での事業基盤拡大を図りたい考えとみられる。
市場ではティファニーが買収額を不満とし、提案を拒否するとの観測が浮上している。このため同社の株価は28日、買収額引き上げを見込み、一時は約30%値上がりした。