BMWがセル調達額を2.5倍に拡大、新たにサムスンSDIからも

高級車大手の独BMWは21日、車載電池セルの調達額を当初計画の40億ユーロから2.5倍の100億ユーロ超に拡大することを明らかにした。電動車の投入を今後に本格化することから、それに必要なセルを早期に確保するのが狙い。新たにサムスンSDIからも調達し、サプライヤーを2社に増やす。

BMWは7月、中国の車載電池大手、寧徳時代新能源科技(CATL)からのセル調達額を従来の25億ユーロから40億ユーロに拡大することを明らかにした。今回これを73億ユーロに引き上げた。契約期間は2020~31年。CATLから調達するセルのうち45億ユーロ相当分をBMWグループ、28億ユーロ相当分を中国合弁のBMWブリリアンス・オートモーティブ(BBA)が使用する。

サムスンSDIとの成約額は29億ユーロ。21年から31年にかけて調達する。

BMWは電池セルの主要原料であるコバルトとリチウムについては採掘現場で自ら調達し、CATLとサムスンSDIに供給する。両原料の採掘に当たってはしばしば環境汚染や人権侵害が起きていることから、そうした問題含みの材料を自社製品から排除する狙いがある。

このほか同社は21年に投入する「第5世代」の電動パワートレインから希土類を全面排除する方針も明らかにした。

BMWは23年までに電動車の種類を25モデルに増やす計画。そのうち半分以上を電気自動車(EV)とする。電動車の販売台数については25年まで、年30%以上のスピードで増えると見込んでいる。

上部へスクロール