メルクの肺がん治療薬、日本で希少病薬に指定

独製薬大手のメルクは20日、非小細胞肺癌(NSCLC)の治療薬として開発中の低分子MET阻害剤テポチニブ塩酸塩水和物が日本の厚生労働省から「MET遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌」を対象とした「希少疾病用医薬品」に指定されたと発表した。昨年3月に同省が定める「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されていた。

MET遺伝子はがんにおいて過剰発現(遺伝子増幅)がみられる「がん遺伝子」のひとつ。METは肝細胞増殖因子(HGF)と結びつくことで、細胞の増殖や運動性を増加させるシグナルを活性化させ、腫瘍の形成や悪性化に関連すると考えられている。テポチニブ塩酸塩水和物は肝細胞増殖因子依存性および非依存性のMET活性を低ナノモルの濃度で阻害する能力を持つ。

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