英国のジョンソン首相率いる与党・保守党が、12月12日の総選挙を前に優勢に立っている。同国の調査会社ユーガブが11月27日に発表した最新の世論調査では、下院の650議席のうち359議席を獲得し、単独過半数を確保する見込みだ。
ユーガブは英有力紙タイムズの委託で約10万人の有権者を対象に、各選挙区の傾向なども考慮し、詳細な調査を行った。
保守党の予想議席は前回の総選挙(17年6月)の317議席を42議席上回る規模。一方、ライバルの最大野党・労働党は、51議席減の211議席にとどまると予測した。
総選挙は全選挙区で、得票が最も多い候補が当選する単純小選挙区制で行われる。ユーガブは前回の総選挙で行った同方式の調査で、全選挙区の98%で当落を的中させ、メイ首相(当時)率いる保守党の過半数割れを予想していた。
今回の総選挙で最大の焦点となるのがEU離脱問題。ジョンソン首相は保守党が過半数を確保すれば、EUと合意した新たな離脱協定案を12月中に議会で可決し、1月末までに離脱することを公約に掲げている。
これに対して労働党は離脱の是非を問う国民投票の再実施を公約しているが、党として残留と離脱のどちらを支持するかは明言していない。世論調査での劣勢は、こうした曖昧な姿勢が響いているもよう。ユーガブは改選前に確保していた議席のうち44議席を保守党に奪われると予想している。