欧州委員会は2日、米フェイスブックと米アルファベット傘下のグーグルに対し、個人データの収集方法や利用実態などについて予備的調査を開始したことを明らかにした。詳細は不明だが、欧州委はIT大手が保有する膨大な量のデータの取り扱いを懸念しており、データを利用して競合他社を市場から閉め出すといった反競争的な行為がないか調査を進めるものとみられる。
欧州委の報道官は欧米メディアの取材に対し、「グーグルとフェイスブックに個人データの取り扱いについて質問状を送付した。データがどのように収集・加工・利用され、広告目的を含めてどのように収益化されているか調査する」と述べた。
フェイスブックはコメントを拒否。グーグルの広報担当はAFP通信に対し、電子メールで「収集したデータはサービス向上や関連性の高い広告表示などに活用しているが、ユーザーは自身に関するデータを管理したり削除できるようになっている。業界全体にとって重要な問題について、引き続き欧州委や他のデータ保護当局と緊密に連携していく」と回答した。
ロイター通信が入手したフェイスブックへの質問状によると、欧州委は同社のアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)に調査の照準を合わせている。APIはアプリ開発者がフェイスブックや傘下のインスタグラム上のデータや機能にアクセスしたり、他のソフトウェアコンポーネントとの連携を可能にする。欧州委は外部の開発者がフェイスブックのAPIを利用する際の契約内容を精査し、データ利用に関する条件や制限の有無などを調査する方針を示している。