EUとベトナムのFTA、欧州議会が承認

欧州議会は12日に開いた本会議で、EUとベトナムの自由貿易協定(FTA)を承認した。FTAはEU加盟国の承認、ベトナム議会の批准を経て、早ければ今夏に発効する見通しだ。EUと東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国とのFTAはシンガポールに次ぐ2カ国目となる。

物品貿易では双方にとって最終的に99%の品目で関税が撤廃される。EUからベトナムへの輸出は65%の関税がFTA発効と同時に撤廃され、残りは最長10年かけて段階的にゼロになる。一方、ベトナムからEUへの輸出は71%の関税が即時ゼロとなり、残りは7年目までの撤廃を目指す。

EUにとってベトナムはASEAN加盟国の中でシンガポールに次ぐ貿易相手国。機械、輸送機器、化学品、農産品などを輸出している。ベトナムは通信機器、コメ、海産物、衣料などが主な輸出品だ。

EUはベトナムと2012年6月にFTA交渉を開始し、15年12月に協定の内容で最終合意。19年6月に署名していた。FTAをめぐっては、ベトナムに労働者の権利軽視など人権問題があるとして、非政府組織(NGO)28団体が採決延期をEUに求めていたが、欧州議会は賛成401、反対192、棄権40で承認した。FTAと同時に署名した投資保護協定も、賛成多数で承認された。

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