ボルボ、吉利汽車との合併検討

スウェーデン自動車大手のボルボ・カーは10日、親会社である中国自動車大手の浙江吉利控股集団の子会社、吉利汽車との合併を検討していることを明らかにした。技術力と資金を共有し、電気自動車(EV)へのシフトなど環境が激変する自動車市場での競争力を強化する狙いがある。

ボルボと吉利汽車は共同の作業グループを結成し、合併の具体案をまとめる。誕生する新会社は吉利汽車が上場する香港証券取引所と、ストックホルム証券取引所に上場することを想定しているという。年内の合併を目指す。

浙江吉利は2010年にボルボをフォードから買収した。厳しい状況にあったボルボは浙江吉利の傘下に入ったことで業績が回復し、19年の販売は前年比10%増の約70万5,000台となり、過去最高を更新した。

浙江吉利はボルボを18年にストックホルム証券取引所に上場する予定だったが、市況が悪化したことから先送りを決定。19年にはそれぞれの内燃エンジン部門を本体から切り離し、統合すると発表していた。同部門を両社の本体から分離することで、経営資源をEVに集中する体制を整えると同時に、内燃エンジン関連資産の共有化や部品の共同調達によって次世代のハイブリット車(HV)用エンジンなどを低コストで開発、生産するのが目的だ。

浙江吉利はさらに統合を進め、グループの収益力を高めるため、合併に踏み切る。ボルボと吉利汽車は合併後も、それぞれのブランドを維持する方針だ。

上部へスクロール